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2016年09月27日

バイク屋さんの車検整備

しばらく雨が続き涼しかった浜松ですが、また暑くなりましたね。
この暑さが過ぎれば、本格的に秋になりますね。
バイク乗りにはいい季節になります。

今回はバイク屋さんでの車検整備をご紹介します。

モデルバイクはこちら。
車検を依頼される方の参考になればと思います。



ホンダのCB400SF Vtec Spec3です。
オーソドックスなインライン4エンジンのバイクらしいバイクですね。

今回は整備にあたりご依頼のあったスクリーンのビビリ音から。
まずステーとスクリーン本体を外しそれぞれ洗浄。



あらかじめマークしたビビリ箇所にウレタンのテープを貼って補修完了。



お客様が気になさっていましたがすんなり直ってよかった。
些細なコトに思えるかもしれませんが以外と気になるものです。

さて本題に入ります。
以下の手順は当店での標準的な内容です。

◯まずは前日に取り外し充電したバッテリーの装着から。



ネジ部が白く見えるのは薄く塗ったシリコングリスです。
ターミナルの腐食を未然に防ぐのが狙いです。

◯当然ですが外装を外していきます。
タンクを外す際はヘッドパイプ付近にウエスを敷いてタンクと接触しない様に。
ちょっとしたコトですが。



◯まずはエアクリーナーの点検から。



この車両は前回交換から3000km足らずでしたのでエアブローで軽く清掃。

◯続いてスパークプラグの点検。



必ずプラグホールはエアブローして砂やゴミを燃焼室内に入れない様に。
最近のバイクはキャップによってしっかり密栓されているものが多いですが、念のため。

取り外したプラグ。



こちらも前回交換から3000kmですので目視で点検してブラシで清掃のみです。



取付時はカッパーコンパウンドをネジ部に薄く塗布。
始めは手締めが鉄則です。
新品交換時はガスケットを潰しますので1回転くらい、再利用時は締めすぎに注意します。

◯次はオイル交換。



お客様のご依頼です。
ガスケットは基本新品交換です。
オイルフィルターは前回交換したので今回はそのまま。
銘柄は特に指定がない場合、当店ではモチュール3100を利用します。
純正もいいですがミッションに対してモチュールの方が格段にいいです。
値段も控えめ。(1400/L)
オススメです。



またオイル量についてはメーカーのラベルよりも点検窓、ゲージを優先してください。

◯クーラント点検。
今回は交換は見送りリザーブタンクの不足分の補充に留めます。

◯その他エンジン各部をチェックしていきます。
特に気を付けるのはホース類、燃料の負圧やラジエター周りのホースはしっかり見ないと気がつかず、最愛お客様が出先で困らせてしまうことになります。
画像はありませんがしっかり点検。

◯最後にエンジン周りのボルトの緩み等の点検。

この車両は大変お手入れが行き届いており、普段から当店でも整備されているのでエンジンブロックはここまで。

続いて車体編です。
まずはフロント周りから。




◯浮かせてステムにガタや引っかかりがないかチェック。
また車輪を回転させ、引っかかりやガタのチェック。同時にブレーキダストのお掃除&タイヤの目視チェックと空気圧調整、残り溝の測定をします。

この車両はいずれも問題なし。
次にホイールを外してベアリングの点検、サイドカラーはベアリングを守る為、薄くシリコングリスを塗布。





そして忘れてはならないのがこちら。




チューブレスバルブゴムの劣化です。
安い新興国製品などを使うと1年足らずでひび割れてきます。
当店ではダンロップを使っているので問題なし。
皆さんもたまにはチェックしてあげて下さいね。
点検が終わったらアクスルに薄くグリスを塗り指定トルクで締め付け。

◯ブレーキの点検



清掃前、よくお手入れされているバイクですがさすがにここはすぐ汚れてしまいます。
パッドはまだ半分くらいは残っているので、再利用。
分解して清掃。
パッドは手間、奥が分かるように区別。





こんな道具でピストン外周に傷をつけない様に動かします。

続いてパッド、パッドピンも清掃。



使用前、使用後。
わかりにくいですが綺麗になりました。

清掃が終わったら組付です。



パッドの裏とピンには薄くパッドグリスと言われる特殊な耐熱グリスを塗ります。
パッドをピストンに密着させ、鳴きを防ぐと同時にグリスの熱伝導を助け、パッドの熱を逃がす役割もあります。
尚、大変高熱になる場所ですので間違っても適当なグリスは使用しないで下さいね。当店はグリスやケミカルは安心のwakosを使用しています。溶け出してパッド面に付着したら何の意味もありません。
使用後。


うん。性能もそうですが何より綺麗なのは気持ちいいですね。
終わったらキャリパーをフォークに取付。
あらかじめディスクは油分の付着もありえるのでアセトン(無ければパーツクリーナーでも可)で完全ドライに。



キャリパーの本締めはキャリパーを回転方向に固定して締めていきます。(少しでも制動時に緩むキッカケを与えない為)

この作業を×3やります。(もう片方のフロントとリア)
終わったらブレーキフルードの交換。
こちらは2年間使用したもの。



当店での車検整備では、ほぼ問答無用で交換します。
ブレーキオイルとも言われますが、性状としてオイルと決定的に違います。
違いは水と混じることです。
ライダーの走行シチュエーションにも左右されますが、ブレーキは総じて高温になります。
当然、キャリパーのピストンをじかに押すフルードにも熱は掛かります。
フルードの沸点は260°C、水は100。
経年し.もし水分が含んだフルードでブレーキをかけると水は沸騰して気化します。
気体はいくら圧力が掛かっても液体の様には掛かりません。
つまりブレーキがスカスカになります。
この状況をペーパーロックといい、ハードブレーキング中に起こりやすいです。
命の危険に直結する大切な大切な整備です。
車検があるバイクはバイク屋で整備されるぶんにはほとんど交換されるとは思いますが、経験の浅い方のユーザ車検や250cc以下の車検のないバイクを乗りっぱなしの方は以外と無頓着な方が多く、驚く程劣化した状態で乗っていることもあります。
お気をつけ下さいね。



こんな感じ(どんな感じ)で入れ替えます。
新しいフルードを入れ、ブレーキを握って下から押し出しています。
フルードは塗装などに有害なので絶対にこぼさない様に!



交換完了!
当然ブレーキホースのにじみなどはチェック済み。
2年で交換ではそれ程体感できるものではありませんが、それでいいのです。
問題を未然に防ぐ為、大切なことです。

◯フロントサスペンション
目視で漏れやキズの確認。問題なければ摺動部を軽く磨き完了!
もちろんボルト類の締め付けは確認済み。

次はリアの足回り

◯タイヤ、ホイール、ブレーキ、サスペンションについてはフロント周りに準じた整備を行います。

◯駆動系
主にドライブチェーン、スプロケットですね。
前のスプロケットの点検の為、カバーを外します。
ここで初めてトラブル発生。
カバー取付ボルトが1本カジっていました。幸い慎重に対応したので抜けましたが…



こんな感じ。ホンダはここのネジ部のサビが多く、いつもヒヤヒヤです。
雌ネジはタップにて修正、ボルトはストックの同等新品に交換です。
スプロケットは前後共、必ずレンチを掛けて締め付けの確認。
チェーンは若干遊びが多かった為、規定値に調整。



調整が終わったら灯油をしみこませたウエスとエアで清掃。
その後、専用チェーンオイルを馴染ませ、余分なオイルを拭き取ります。



綺麗なチェーンは気分もいいので、ここは結構しっかりやります。
(お客様にも好評です)

車体編はここまで。
もちろんこの間に各部の締め付けチェック、外観確認はやりながらです。
特にハンドルクランプは大切です。

あと一息、

最後に電装保安です。




外装を取り付け、走行可能な状態に戻します。
タンク取り付け時は配管にストレスを掛けない様に注意します。
大切なホースもあります。
うっかり曲がったまま付けると走行時ガス欠症状が出てしまい、せっかくここまでやってもお客様に信頼してもらえません。
◯いわゆる重要保安部品ですね。

ヘッドライト、ウインカー、ホーン、テールライト、ナンバー灯などを順にチェックします。

マフラーの取付の緩みをチェック。

今回はフルノーマルなので安心ですが、改造などされている場合はテールライトの面積、シフトパターンなどの有無、タンデムの為のベルトなど注意が必要です。

最後に幅や高さなどが車検証と同じか、当然ですが車体番号、エンジン型式が同じかを確認し、バイクを磨いて車検整備完了となります。

時間的には内容にもよりますがトラブル無しでも約5時間要します。
結構色々やってます。

バイク屋さんでは車検のご依頼をお待ちしております。
国から認可を受けた認証工場ですので安心してご依頼下さいませ。
国産4メーカーはもちろん、一部輸入メーカーも承ります。
基本料金は交換部品無し、国産車、過走行車でない限り

整備1式 21,600円(車種により多少前後します)
代行料金 12,960円
諸費用(自賠責、重量税、検査印紙) 約20,000円

の計55,000円程度です。

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この記事へのコメント
10月車検でしたわ・・・。忘れてた。
また電話します。
Posted by asahina at 2016年09月29日 08:30
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